ときのこえ2023年9月号

心のチェックをしませんか

　鈴木智博

　先日、健康診断で胃カメラの検査をしました。多少緊張しながら検査を終え、その後、画面に映し出された自分の胃の内側を初めて見ました。医師が胃の各部分の写真を見ながら説明をし、大きな病気はないとのことで安心しましたが、自分の体の内部を初めて目にし、その機能のようすに、ある種の感動を覚えたのでした。

　普段わたしたちは、自分自身の事は自分が一番よく理解しているように考え、そのように感じて過ごしています。けれども、わたしは初めて自分の体の内部を見て、これが自分自身の普段目にしない部分だと気づいたとき、自分自身の心や目に見えない内面においても、理解していない事が実はたくさんあって、どんな状態か気づいていないのではないかと思わされました。

　聖書の詩編139編13節～18節に、ダビデという人が書いた詩があります。

神は、精巧に私の体のすべての器官を造り、
母の胎内で組み立ててくださいました。
こんなにも複雑かつ緻密に仕上げてくださったことを感謝します。
想像することもできないくらい、すばらしいことです。
あなたのわざは驚くべきもので、
私にはとうてい、理解することはできません。
だれも立ち入ることのできない場所で私が組み立てられた時、
あなたはそこにおられました。
生まれる前から、まだ呼吸を始める前から、
あなたの目は私に注がれ、
私の生涯にわたるご計画も、練り上げられていたのです。
主よ。あなたが私をかた時も忘れずにいてくださることは、
ほんとうにたいせつな事実です。
あなたは一日に、数えきれないほど何度も、
私のことを思い起こしてくださいます。
眠っているときも、朝までずっと、
私のことを考えていてくださるのです。
リビングバイブル訳

　芸術作品には必ず作者が存在します。皆さんも、すばらしい絵画を見たり、音楽を耳にし、感動を覚えることがあるでしょう。同じように、〈わたし〉を造ってくださった「作者」―神がおられます。しかも目的をもって造られました。わたしたちが、その造られた目的が何であるのか、生きるとはどういうことなのか、それを見いだすことは容易ではないかもしれません。

　しかし、わたしたちの創造主である神が、わたし自身以上に、わたしを知り、愛し、導こうと片時も忘れずにいてくださることを知ることができたなら、わたしたちの心の中も、不安な気持ちから平安な気持ちに変えられるのではないでしょうか。

　健康診断は定期的に体のチェックをおこないますが、時には自分自身の心の在り方も、チェックをする必要があるかもしれません。

聖書はすべて神の霊の導きの下に書かれ、
人を教え、戒め、誤りを正し、義に導く訓練をするうえに有益です。
テモテへの手紙二　3章16節

　聖書はこれまで時代を超えて、世界のベストセラーとして世界中の人々の生きる指針となり読まれてきました。不安が多い世の中で、人生に起きる様々な困難に翻弄されて生きるわたしたちです。聖書の言葉によって、何が真理であるのかを教えてくださる神を信じ、これまで知ることができなかった、新たな自分自身を発見し、新しい一歩を踏み出すことができますように、心よりお祈りいたします。

　イエス・キリストの父なる神は、あなたにその真理を知ってほしいと待っておられるのです。

（救世軍士官〔伝道者〕）