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2010.01.26(火)

ハイチ地震緊急支援活動 5

救世軍万国本営サイトの記事より

ハイチの20,000人の人々について救世軍が責任を負う、学校も再開

(救世軍万国本営サイト2010年1月26日付)

救世軍が責任を負うことになったサッカー場の仮小屋群(写真提供:ジェレミー・ワット、救世軍カナダ・バミューダ軍国)
ポルトープランス、サン・マルタン地区の救世軍敷地の裏にある大きなサッカー場とその周辺で生活している 12,000人の人々について、ハイチの救世軍チームは引き続き集中的に注力している。このサッカー・スタジアムともう一つの広場が救世軍の敷地に隣接しているが、それらについて国連のシェルター・クラスター(Shelter Cluster: 避難施設についての集積的連携構想)は、救世軍を「統率団体」(lead agency)として指定した。この指定は、地震で家を失った20,000人以上の人々への援助について、救世軍に公的な責任を付与するものである。

地震以前、この10,000席の競技場では通常、サッカーの試合や音楽のコンサートが催行されており、救世軍の敷地からは最も近いお隣さんであった。1月12日の地震は、スタジアムの観客席のうち最前列から3列目まで以外の全席を崩壊させた。上段の座席群は外に崩落、地面と現在残っている座席はまったく無傷である。この施設は、ボール板による仮の壁面、合成樹脂製のシート、いくつかのテントといったものによって、各世帯が軒を連ねる新しい居住の場が急速に成立した。

サッカー場とその周辺に居住している人々に救世軍が水を供給(写真:ジェレミー・ワット) ポルトープランスの救世軍敷地で建物の影に集まり、日曜日の集会をやっている人々。この野外礼拝には1,000人が集まった。
サッカー場とその周辺に居住している人々に救世軍が水を供給(写真:ジェレミー・ワット) ポルトープランスの救世軍敷地で建物の影に集まり、日曜日の集会をやっている人々。この野外礼拝には1,000人が集まった。

この競技場で生活している人々の登録作業はほぼ完了した — この登録は国連による食料配給の上で重要なものであり、これによってどの指定地区においても登録人数相応の配給がなされるのである。

救世軍チームは救世軍敷地周辺において24,000食以上をすでに配給した。この食料は国連の世界食糧計画から提供されたものであった。日毎の交換による供給量10,000ガロンである水浄化装置も稼動している。この水供給装置はクリスチャンの支援団体であるEDGE によって提供されたものである。

人生はなおも続くことを示す一つの小さなサインであるが、救世軍はポルトープランスのその敷地内にある学校を再開した。2つの大きな校舎は地震で崩壊しており、まだ残っている建物も、そこに入ることにはだれもが過剰なまでの恐怖を抱いている。救世軍ワーカーは、3歳から6歳までの子どもたちに保護と栄養と医療上の支援を引き続き行うが、一時しのぎの状態にある学校での必要にも対応してこれを行う。

地震より以前に、Kindernothife(KNH: ヨーロッパのクリスチャンによる児童支援団体)の協賛により救世軍の学校に1,500人の子どもたちが加わった。これから先の数週間、救世軍は3歳から6 歳までの子どもたち数千人に学校の授業や支援を提供することになる。

救世軍ワーカーは被災した他の地区の支援もしている。給食用車両でポルトープランス郊外の各集落や各地区に食料と水を配給している。また、4000足の軽量な靴 — デュクというもの(duck=ズック) — を配布した。配布作業の工程を効率的で秩序のとれたものとするために国連の保安要員が手助けをしている。

ポルトープランスから68kmの南にある海岸の町プチ・ゴアヴも地震で深刻な被害が出ており、調査チームが向かっている。各種の残骸が道路を塞いでおり、支援を同地に届けるのはかなり困難になっている。

アメリカ合衆国で働いているハイチ生まれの救世軍士官、エマヌエル・ミショー少佐とセルジュ・レーヌ大尉がプチ・ゴアヴ方面の調査と支援準備の指揮にあたっている。ミショー少佐は言う。「道路に深刻な損害が出ていますから、向こうへの道は、ずたずた、でこぼこ、ということになるのでしょう。ですが — 警戒と配慮と神の助けをもって — ボランティアと物資と希望を向こうの人々に送り届けることはできます。」

アメリカ合衆国の救世軍引退士官、ハーブ・レイダー大佐補がポルトープランスの救世軍診療所で手術を行う。(写真提供:ジェレミー・ワット) 協力団体である国境無き医師団の医師が救世軍診療所で乳児を診察(写真:ジェレミー・ワット)
アメリカ合衆国の救世軍引退士官、ハーブ・レイダー大佐補がポルトープランスの救世軍診療所で手術を行う。(写真提供:ジェレミー・ワット) 協力団体である国境無き医師団の医師が救世軍診療所で乳児を診察(写真:ジェレミー・ワット)

チーム・メンバーは国連の「クラスター会合(Cluster Meeting)」に継続して出席しており、他の主要な団体との間で支援活動の調整をしたり、活動資源を最大限効率的に用いるための確認作業をしたりしている。各ワーカーが言うには、食料がやはり差し迫って必要なものであり、多くの人々が、重傷者ですら治療を後回しにしてでも食料を受け取るために行列に加わるのだという。食料の欠乏は今日明日の生存に関わることであり、彼らにとってそれはなにより恐ろしいことだからだと。

日曜日(1月24日)には、さらに295世帯に医療が施された。1,200以上がそれぞれ救世軍所属の医師、看護師、救急救命士その他の専門家による治療を受けた。医療チームは救世軍の敷地内で数人の新生児を分娩させた。また同地域にあるいくつかの孤児院にも派遣され、地震以後ほとんど支援されていない児童と乳幼児に対する支援活動を行った。

救世軍としては最初になる本格的な物資輸送、食糧と水を含むものだが、それが今日、ポルトープランスに到着した。この貨物便は隣国であるドミニカ共和国のサント・ドミンゴから陸上輸送でやって来たものである。到着したコンテナのうち2つが、救世軍カリブ軍国によって調達されたものであり、ポルトープランスの救世軍チームによってその物資が配布される。

ジャマイカから出た4つのコンテナは食料、水、個人用衛生用品を積んでいるが、今日中(1月26日)に、ポルトープランスから12マイルのところにある小さな港ラフィトゥーに到着することになっている。

第二回目の大量輸送は — アメリカ合衆国に本拠を置く救世軍ワールドサービス機構(SAWSO)によって用意されたものであり、運送業者のUPSが便宜を図っているが — サント・ドミンゴ経由で向かってきている。この便の内容は91,000食を提供できる20パレットの食料、500ccのボトル入り飲料水、容量1ガロンの水容器となっている。

ジャマイカのキングストンにある救世軍(カリブ軍国)本営には数百人のボランティアが継続的にやって来ている。そこで彼らがやっていることは、救世軍災害サービスの倉庫に到着する大量の寄贈食料品と寄贈衣類を受け取り、分類し、再梱包することである。

災害への幅広い対応を行うために救世軍と相互協力している機関は、ハイチ政府、アメリカ軍、アメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁(FEMA)、国連、他の非政府組織、提携企業各社である。

リンゼイ・ロウ大佐補(救世軍カリブ軍国書記長官)は言う。「このカリブ軍国が世界各地からの支援を受け、深い感銘を受けています、これは今後も続くでしょう。わたしたちにとって最も切実に必要なものは、より良いハイチを再構築する長期の取り組みを支えるための、祈りそして資金です。」

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