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ときのこえ
2022.05.01(日)

ときのこえ2022年4月号

イースター、おめでとう!

 平本祐子


  春、新年度を迎え新たな始まりの時です。この冬は寒さ厳しく、各地で大雪が降りました。新型コロナウイルス感染症の影響も長引き、だれもが不安定な日々を忍耐して歩んでこられたのではないでしょうか。季節はめぐります。長い冬を経て、暖かな陽の光の中で、枯れたようだった木々に一斉に花が開いていくのを見ると、春の喜びと命の力強さを感じます。

 この季節、キリスト教会は毎年、イースター(復活祭)を祝います。イースターは、イエス・キリストが復活したことを祝う、特別な喜びの時です。イエス様の復活を告げる天使の言葉が聖書に記されています。

 「恐れることはない。十字架につけられたイエスを捜しているのだろうが、あの方は、ここにはおられない。かねて言われていたとおり、復活なさったのだ。さあ、遺体の置いてあった場所を見なさい。」(マタイによる福音書28章5、6節)

 驚くべき知らせです! 歴史上かつてなかった、死からの復活。

 「十字架につけられたイエス」と天使は言っています。復活の前には、十字架上の死がありました。

 わたしが遣わされている小隊(教会にあたる)の外壁に、十字架が掲げられています。通りかかった方が「見て、十字架がある。ここ、キリスト教?」と話しておられるのが聞こえることがあります。十字架はキリスト教の一番のシンボルでしょう。

 神の独り子イエス・キリストはこの世界に生まれ、生きて、人々と出会い、語り、神が愛そのものであることを教えてくださいました。そして、その地上の生涯の最後には、わたしたちの罪を償うために、十字架に架かり死なれたのです。十字架の上でキリストが受けられた傷、痛み、死は、人間が神に背を向け、迷い傷つきながら生きることから救われ、神の愛と平和の中に生きる道を開くために払われた大きな犠牲でした。

 イエス様のお体は墓に納められましたが、墓の暗闇も死の力も、イエス様を滅ぼすことはできませんでした。イエス様は十字架の死から三日目、死を打ち破り、復活なさったのです!

 復活は、人間の思いを超えた出来事です。死は人間の限界であり、恐れを感じさせるものです。人間は誰ひとり、死の力に対抗することはできません。しかし、イエス・キリストは死に打ち勝って復活され、何にも揺るがされない希望を示してくださいました。そして、キリストを信じるすべての人に、神の愛の中に希望をもって生きる新しい命を与えてくださるのです。

 痛ましい刑罰の道具だった十字架は、イエス様の死と復活によって、神の愛と赦し、命と勝利を表すしるしとなりました。十字架は今も輝いて、救い主イエス・キリストを伝えています。

 復活されたイエス様が、「おはよう」と弟子の女性たちに声をおかけになったことが聖書に記されています。何気ないあいさつの言葉です。

 また、イエス様は「わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる」(マタイによる福音書28章20節)と約束してくださいました。イエス様は今も生きて、わたしたちの日常に共にいてくださいます。わたしたちが恐れや不安を覚える時も寄り添い、きょう一日を、次の一歩を、進めるように力を与えてくださいます。

 春の陽だまりでほっとする時、復活のイエス様が、尽きることのない温かな命をもってお一人おひとりと共におられると知ることができますように。

 イエス様は復活し、生きておられます。共に祝いましょう。
 
 イースター、おめでとう!

(救世軍士官〔伝道者〕)

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