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ときのこえ
2022.01.01(土)

ときのこえ2021年12月号

クリスマスイブの物語~ある男と小鳥の出会い~

 スティーブン・モーリス


 これからお話しする方は悪い人ではありませんでした。そこそこ普通な、ほぼほぼ善良な人で、家族に優しく、人との付き合い方も正直でした。けれどもこの人は、キリスト教会がクリスマスの時期に知らせるところの「受肉」の話は信じていませんでした。それは意味のわからないことで、彼は実直であるがゆえ、わかった振りもできなかったのです。神が人としてこの地上に来られたという、イエス・キリストの話は信じがたいものでした。

 彼は妻に言いました。「嫌な思いをさせたら悪いけど、今年のクリスマスイブは君と一緒に教会には行かない。」教会に行くことは偽善者のような気がするから、家にいたほうがいい。帰りを待っているよ、と。家族はみな真夜中のクリスマスイブ礼拝に出かけ、彼一人家に残りました。

 家族が車に乗って出かけてすぐに雪が降り始めました。窓から雪の降りが激しくなってくるのを見て、彼は暖炉のそばの椅子に座って新聞を読み始めました。

 その数分後、彼はドスンという音に飛び上がりました。その音は何度も続くのです。誰かが雪玉を窓に投げつけたのかと思って、玄関から外に出てみると、雪の中、鳥の群れが哀れな姿で身を寄せ合っているのが目に入りました。どうやら嵐に巻き込まれて、必死に逃れ場を捜そうとして、家の大きな窓にぶつかっていたようです。それが先ほどの音の正体でした。

 かわいそうな鳥たちがそこで凍え死ぬのは忍びなかったこの人は、家の裏にある納屋ならば暖かい避難所になると思いました。あとはどうやってこの鳥たちを納屋に連れて行くかです。

 急いで上着と長靴を身につけて、降り積もってくる雪を踏みしめながら納屋に向かいました。 鳥たちが入って来れるように、扉を広く開け、明かりを灯しました。しかし鳥たちは入って来ません。

 食べ物があれば寄って来るかもしれない、と彼は考えました。急いで家に戻り、手に取ったパンを、雪の上に撒きました。黄色いライトに照らされた納屋の入口の扉までパンの道筋をつくったのです。 しかし、鳥たちはパンに何の関心も示しません。

 鳥たちは雪の中でどうすることもできずに羽をバタバタと動かし続けるばかりです。腕を大きく振って納屋に誘導しようとしましたが、興味を示しません。捕まえようとしても、俊敏に逃げ回るばかりです。自分のことを怖がっているのだ、ということに彼は気づきました。鳥にとっては、人間は正体のわからない恐ろしい生き物なのです。信頼してもらえるための方法は何かないだろうか。傷つけようとしているのではなく、助けようとしていることをわかってもらうために。でも、どうやって?

 彼は思いました。もし自分も鳥になって彼らと交わり、同じ言葉を話すことができれば、安全な場所への道を示せるのではないか。見て、聞いて、理解してもらうためには、鳥の一員にならなければならない。

 その時、教会の鐘が鳴り響きました。その鐘の音を聞いた時、彼はイエスの誕生を思い出しました。鳥に安全な道を指し示す存在が必要なのと同じように、イエスがこの地上に来られたのは、同じ人間となって、私たちの信頼を得るためだったのだと。私たちがイエスの後をついて、安全な場所に行くためだったのだと理解したのです。

 なぜイエスが人となって地上に来られたのか、彼はそれがいかに道理にかなうことかを初めて、突然、理解することができました。

 私たちが命を得るために、イエスはこの世に来てくださったのです!

今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。
この方こそ主メシアである。
ルカによる福音書2章11節

 メリークリスマス!

(救世軍士官〔伝道者〕)

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