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立石真崇
光の届かないところでずっと生きていた人がいました。本人も周囲もその状況を変えることはできませんでした。しかし、イエス・キリストは、その人に全く新しい人生を開かれました(ヨハネによる福音書9章)。
その人は、生まれつき目が見えず、人々から施しを受けていました。彼を見た人は、「こうなったのは誰のせいか」と問いました。人々の問いは善意や同情から出されたものでしたが、かえって彼を問題を抱える存在と決めてしまい、解決の望みのない人生に閉じ込めてしまっていました。
しかし、イエス・キリストは違いました。キリストは彼の人生を批評せず、「神の業がこの人に現れるため」であると語られました(3節)。キリストによって、彼の人生は、神が開かれる新しい将来に結び合わされたのです。
キリストはあえて、彼の目に手でじかに触れられました。そして、池に行って目を洗うようにと言われました。キリストは、彼が長いあいだ抱えていた孤独や痛みそのものに触れられました。それとともに、ご自分を信頼して立ち上がるように、と呼びかけられたのです。その呼びかけに応えて立ち上がった時、彼の目は見えるようになりました。キリストの呼びかける言葉が、新しい光となって彼の人生に差し込みました。キリストによって、彼は神の愛のうちにある自分を見いだしました。
このお方が、今も、すべての人を照らす「世の光」として、私たちにも向かい合われます。
わたしは世の光である。わたしに従う者は
暗闇の中を歩かず、命の光を持つ。
ヨハネによる福音書8章12節
今の私たちも、「どうして」という問いをさまざまなかたちで抱えます。自分自身について、家族や周囲の人たちについて、学校や仕事について、日々の暮らしや社会について、くりかえし生まれる「どうして」という問いは、将来を見る目をふさぎ、人を孤独の迷路に閉じ込めます。神も、隣人も、自分をも見失う罪の闇が覆いかぶさろうとします。しかしキリストは、そのような私たちを愛のまなざしで探し出し、回復と希望を与えてくださいます。その愛の極みがキリストの十字架に表れています。キリストは十字架の死によって私たちの罪を担い、私たちを罪の闇から神の光のもとへ連れ戻してくださるのです。
今年七月、救世軍は創立161周年を迎えます。創立者ウイリアム・ブースは、イギリス・東ロンドンの都会の片隅で顧みられずにいた人々のもとへ行き、イエス・キリストの愛のまなざしと新しい人生の希望を伝えました。今日、救世軍の働きは世界に広がっています。その働きの土台には、今も同じキリストの招きがあります。
キリストはあなたを見つめておられます。そして、新しい光の中で生きるようにと招いておられます。どうぞ日曜日にはお近くの救世軍の小隊(教会にあたる)、あるいはキリスト教会へお出かけください。自分の人生が、神の業が現れるものとなるという幸いを受け取っていただきたいと、心からお祈りし、お勧めいたします。
(救世軍士官〔伝道者〕)
救世軍(The Salvation Army)は1865年にイギリスで創設され、世界134か国で伝道・医療・福祉・教育・地域開発・災害被災者支援・人身取引被害者支援を行っている国際的なキリスト教会・国連NGOです。日本では明治28(1895)年から活動しています。
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