2026年の予定
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山谷真
日本では正月になると、多くの人が家族のもとに帰り、新しい年を祝います。この習慣には、「年神」を迎えるという伝統的な考え方があり、家の入口に門松を置き、お祝いの食事を共にすることで、家族に力と祝福がもたらされると信じられてきました。
その背景には、古くから「新しい命を迎える」という思いがありました。これは、日本人に深く根づいた〝喜びの時〟の象徴です。お節料理を食べるために使う「祝箸」は、両端が使えるようになっていますが、これは片方が人間、片方が神、という神人共食(祭りや儀礼で神に供えた食物を人も共に食べることで、神と人が同じ食卓を囲む象徴的行為を指す。)の概念を表していると言われています。
構造主義的(文化人類学で発展した立場で、人間の文化・神話・習慣の背後に共通する〝深い構造〟が働くと考える。表面的に異なる現象に共通パターンを見いだし、人間理解を深める方法。)に見ると、正月は「日常」と「特別」が交わる瞬間です。普段は分かれている世界が、この時だけ重なり、人々の心に新しい力があふれます。正月の行事は、単なる年中行事ではなく、ハレ─命が満ちる時─として経験されてきたのです。それは、私たちが普段忘れがちな深い安心感を呼び覚まします。
実は聖書の世界にも、それと似た構造があります。イエス・キリストは全人類の罪を身代わりに引き受けて十字架上で死に、ヨミに降り、復活によって死を命へと変えてくださいました(ヨミからかえる=よみがえり)。絶望から希望へ、死から命へという〝反転〟が起こる時、そこには新しい力と喜びがあふれ出します。
このキリストの出来事は、正月に込められた「新しい力が訪れる」という感覚と重なって見えます。私たちの元へ来て祝福を与える〝訪れ〟という構造は、古代の日本人が正月に感じたものと似た形を取っています。ただし、聖書においては、訪れるのは〝一人の神の御霊〟である聖霊です。聖霊は、私たちを導く愛そのものであり、神の愛が聖霊を通して私たちの心に注がれるのです。
そのように考えると、正月は家族の集まりを大切にしつつ、同時に「キリストが共にいてくださる」時として受け取ることができます。ヨハネの黙示録3章20節にあるように、キリストは戸をたたき、あなたと共に食事をすることを願っておられます。
見よ、わたしは戸口に立って、たたいている。
だれかわたしの声を聞いて戸を開ける者があれば、
わたしは中に入ってその者と共に食事をし、
彼もまた、わたしと共に食事をするであろう。
もし、あなたがキリストに対して心の扉を開くなら、正月の食卓は、キリストが祝福を注いでくださる〝ハレの日〟となるのです。それこそが、本当の「ハレルヤ」でしょう(ハレルヤとは聖書の原語であるヘブライ語で「神をほめたたえよ」という意味です)。
新しい一年を迎える時、キリストは疲れた心を満たし、もう一度歩み出す力を与えてくださいます。日本の正月が昔から人々を励ましてきたように、復活のキリストもまた、私たちを新しくし、喜びの中へ招き入れてくださいます。その招きに応える時、心の中に静かな平安が広がっていきます。
今年の初め、ぜひキリストと共に歩む喜びを新たにしていきたいものです。
(救世軍士官〔伝道者〕)
救世軍(The Salvation Army)は1865年にイギリスで創設され、世界134か国で伝道・医療・福祉・教育・地域開発・災害被災者支援・人身取引被害者支援を行っている国際的なキリスト教会・国連NGOです。日本では明治28(1895)年から活動しています。
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