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ときのこえ
2026.07.01(水)

ときのこえ2026年6月号

救いをもたらす名

 佐々木昭夫

        
 現在、私は高齢となり、高齢者のための施設で生活しています。ある日の夜半、居室の入口近くでめまいを起こして倒れ、ドアに手をかけて起き上がろうとしているところに、施設の職員がかけつけて、起こしていただいたことがありました。不幸中の幸いとも言うべきことで、救われた思いがいたしました。

 私たちは、テレビや新聞等のニュースに、災害や争い事の被災者、被害者の様子を知って気の毒に思い、何とか助けたいと思っても、諸種の事情でできないもどかしさを覚えることがあります。時には対岸の火事を見るようにしてすぐに忘れてしまうなど、心もとない自分を見いだします。

 ところで、人生の危機に直面して、何とか切り抜けようとしてできず、絶望のどん底に陥る時、それまで信仰に関わりをもたない人が、恥も外聞もなく「助けとなるなら何にでもすがる」という思いにかられるものです。そのような時こそ、名誉や地位、財産などは当てにならないことを知るのでしょう。栄華を極めた豊臣秀吉も、「露と落ち露と消えにし我が身かな 浪速のことは夢のまた夢」と辞世を残しています。

 そこで人生の危機に際して「救われるべき道」を示している聖書の言葉を紹介いたします。

いかに幸いなことか
神に逆らう者の計らいに従って歩まず 
罪ある者の道にとどまらず 
傲慢な者と共に座らず 
主の教えを愛し 
その教えを昼も夜も口ずさむ人。
詩編1編1、2節

 これに反し「神に逆らう者はそうではない。彼は風に吹き飛ばされるもみ殻」(詩編1編4節)ともあります。この世のはかない夢を追うのではなく、主なる神を畏れ敬い、その教えである聖書の御言葉に従う幸いな道を歩みたいものです。

 私の青年時代の経験を述べさせていただきます。田舎町から上京して印刷工場に就職し、休みの日の午後に神田の古書店をぶらついていました。街頭テレビジョンの前で多くの人々に加わり、見終わったところ、すぐ近くの救世軍での集会案内があり、誘われるままに小隊(教会にあたる)に入って賛美歌やメッセージを聞きました。話の内容はほとんど忘れましたが、その中で、人生の機微にふれた短歌が印象に残ったことは覚えています。

 それまでの私は、自分の境遇を嘆く消極的な生き方で、どうしたらそのような生き方から積極的になれるか、また救われるだろうかと迷っておりました。集会の終わりに、導かれるまま前に進み、恵の座という祈りの場所で、心の中にある罪の悔い改めの祈りを献げたところ、言いようのない喜びを覚えました。

 イエス・キリストが「悲しむ人々は、幸いである、その人たちは慰められる」(マタイによる福音書5章4節)とおっしゃいましたが、まさにそのとおりです。その日、新しく友となった人々の励ましを受け取って帰ったのでした。それはまさに慰められ、新しい出発をした、救いの道に入った経験でした。

 聖書は、「わたしたちが救われるべき名は、天下にこの名(イエス・キリスト)のほか、人間には与えられていないのです」と述べています。私がお勧めしますのは、皆様が聖書の御言葉により、「救われる道」へ入られることであります。

(救世軍士官〔伝道者〕)

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