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ときのこえ
2024.05.01(水)

ときのこえ2024年4月号

闇から光へ 死から命へ移される勝利

 中島美和


 春がやってきました。わたしは寒くて暗い冬がとても苦手なので、固くなっていた地面から球根の黄色の花が顔を出しているのを見つけると、春の到来に気持ちが明るくなります。枯れ木のようだった枝に桜がほころび始めると、命が息づいているという希望を覚えます。わたしの故郷の長野はひときわ寒さが厳しいのですが、母はよく、冬が厳しい分、春がありがたく感じる、と言っていました。確かに雪解けの後、桜と一緒にあんずやりんごの花がいっせいに咲き乱れる光景は、えもいわれぬ美しさがあります。

 若い時に長野で大変お世話になった方が、年が明けてまもなく地上での生涯を終えられました。「地上での生涯」と言うのは、その先に次のステージがあるからです。わたしにそのことを教えてくれたのが、この救世軍の士官(伝道者)でした。当時、生きる意味を見失って闇の中でもがいていたわたしに、

あなたがたには世で苦難がある。しかし、勇気を出しなさい。わたしは既に世に勝っている。
ヨハネによる福音書16章33節

というイエス・キリストの言葉を話してくださいました。イエス・キリストが世に対して得た勝利。それはわたしたちを捕らえていた罪の縄目を十字架の死によって解き、そして復活によって死を打ち破った勝利です。闇から光へ、死から命へと移してくださる勝利です。

 その瞬間に起きた出来事は一生忘れません。

 〈あぁ、この世界にいる間のわたしの人生は悩みが多いけれど、ここがすべてではない。イエス・キリストという方は、その先に天国という安息の場所を用意してくださっている。この方を信じれば、救いの安息、天国の招きに与ることができる。わたしは大丈夫なんだ〉と深い深い慰めを得ました。

 わたしにとって、這い上がれない泥沼から引き上げられる、まさしく救いの経験でした。この福音を伝えてくださったこの士官は命の恩人です。その方がいなくなるというのはとても寂しいことですが、けれどもその生涯をかけて取り次がれた神の言葉の約束のとおり、その魂は今、天国にあって安息の時を過ごしておられることを思います。

 人生はよく四季に例えられます。春に新しい命が生まれ、夏から秋へと青年期から壮年期を過ごし、そして人生の終盤である冬を迎えます。その間、その人その人で、さまざまな心の景色を経験されるでしょう。美しさに感動する日もあれば、疲れ、打ちのめされそうになる日もあるかもしれません。そして誰も最後に迎える死を避けることはできません。これが終着点であったなら、孤独や虚しさ、不公平さを覚えることのほうが多いのが人生かもしれません。

 けれども、キリストを救い主として信じる者は、体は滅びても、永遠の命を得ることができる。これが聖書の約束です。肉体の死が終わりではない、地上での生涯がすべてではない。冬のあとに春が巡り来るように、天国で新しい命に生きることができる、ということです。

 これを読んでおられる皆様はいかがでしょうか。この世の命が終わった後に続く天国の希望をご自分のものとしておられるでしょうか。イエス・キリストは言われました。

わたしを信じる者は、死んでも生きる。
ヨハネによる福音書11章25節

 この春、その約束が確かだというしるしを、命の息吹の中に見いだしてみませんか。

(救世軍士官〔伝道者〕)

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