お知らせ

NEWS
ときのこえ
2023.08.01(火)

ときのこえ2023年7月号

神の愛を伝えるために

 松末泰志


 今回、この公報『ときのこえ』を読んでおられる方々の中には、救世軍をご存じの方も、今まで聞いたことがない団体だという方もおられると思います。私は知人の勧めでフェイスブックを始めたのですが、私の「救世軍士官(伝道者)」という自己紹介で初めて救世軍を知り、その興味から友人申請を寄せられる方々があります。

 救世軍の発祥の地は英国ロンドンです。7月2日は救世軍の創立記念日であり、今年で158周年を迎えます。

 1865年、ウイリアム・ブースという、各地で宣教する伝道者が、当時のスラム街であった東ロンドンでの宣教活動に招かれました。そこで見た、生活が貧しく道徳が乱れた人々、将来の希望を失っている人人にこそ、キリストの愛と、キリストを信じて得られる本当の幸福を伝えることが使命だとブースは感じたのでした。それが、後の救世軍が発足するきっかけでした。

 働きが進む中でブースは、人々の置かれている困難な環境のなかで信仰を伝えるには、まず衣食住などの提供、アルコールやギャンブルなど悪習慣の断絶の手助け、社会復帰のための具体的な対策の実践が不可欠である、との認識に至りました。更生した人々がさらに他の人々を救い出すという動きの中で、この働きが神の愛を伝え、愛をおこなう神の軍隊、救世軍として発展し、世界各国に広がっていきました。

 日本では1895(明治28)年に働きが開始され、今日に至っています。

 救世軍の働きの動機は、すべての人が、聖書に書かれている事柄を信じ受け入れるようになることです。聖書はこう主張します。

● 人間は、どれほど正しく見える人だとしても、罪をもった存在であり、神に背き、自己中心に生きる的外れな歩みをしています。そのままでは罪のために滅びるほかありません。

● しかし神は、人間を愛するがゆえに、罪のない神の独り子イエス・キリストをこの世に遣わして、その十字架の死と復活を通して、人間の罪の問題を解決してくださいました。それは、信じるすべての人に例外なく開かれている救いの道であります。

● 皆さんがキリストを信じるならば、どんなにこの世の財産、地位、名誉を手に入れたとしても満たされることがない、果てしない人間の欲望に囚われることなく、しっかりとした人生が歩めることでしょう。また、この信仰を通して、苦難も多いこの世での人生の良き逃れ場を見いだし、心の平安を得ることができるでしょう。

 私は、キリスト教に縁のない家庭で生まれ育ちました。しかし、私が16歳の時に、私が生まれる前に既に亡くなっていた祖父が救世軍の信徒だったと知り、その興味だけで救世軍の小隊(教会にあたる)の集会に行ったのでした。

 初めて足を運んだ救世軍の会館は古く、集会の出席者も年配の方ばかりでした。そこで私を迎えてくださった温かい雰囲気、集う人々からごく自然に表れ出る優しい品性に魅力を感じました。ある信徒の方は、「以前の私は本当に気性が荒かったのです」、当時の小隊士官(牧師にあたる)は、「私は、かつて競馬にのめり込み、路上生活を経験し、救世軍の宿泊所でお世話になっていました」と語られ、皆さんが救いの招きを信じ受け入れたことによって、変えられたことを伺いました。

 初めて聞く聖書の話はわかりませんでしたが、集会の雰囲気と、彼らの品性を通し、この信仰こそ本物に違いないと実感できたのでした。

 かつて救世軍は、信仰を通して人々を更生させるので、「人間改造所」と評されました。やがて私も救世軍でクリスチャンとなり、そして現在は伝道者として奉仕させていただいています。以来36年、初めて救世軍の集会に足を運んだあの日の経験は、今でも忘れることができません。

神は、その独り子(イエス・キリスト)をお与えになったほどに、世を愛された。
独り子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである。
ヨハネによる福音書3章16節

 ぜひ、あなたも救世軍にお越しください。そこで、神があなたを愛しておられることを知り、本当の生きがいを見つけることができるでしょう。

(救世軍士官〔伝道者〕)

ときのこえ2023年7月1日号をダウンロード(PDF)

あなたの支援で
救える人々がいます

あなたの小さな心遣いで貧困や病気に苦しんでいる人、教育を受けられない子どもたち、災害の被災者などを助けることができます。あなたの想いを彼らに届けることができます。ご支援という形で寄付に参加してみませんか。

寄付をしてみる