ときのこえ2023年2月号

相思相愛？　それとも片思い？

　粟飯原由美子

　街のショーウィンドーに赤やピンクのハート模様が並ぶバレンタインの季節、あなたの心はだれに向いていますか？　人生のパートナー？　恋人？　親友？　家族？
　
　この時期、愛する人のために自分には出費しないような高価な物や、月日をかけて編んだマフラーやセーター、豪華な食事、花束やスイーツなどの贈り物をするのではないでしょうか。相手に喜んでもらいたい一心でプレゼントを贈ります。お互いの心が通じ合って相思相愛なら、それはなんとすばらしく幸せなことでしょう。愛する人といつも一緒にいて、喜び、悲しみを共有し、その愛をさらに深めていくことができます。
　
　理想的な愛の関係は相思相愛です。以前はそうだったけれど、今は仲たがいしてしまって絶交状態にあるとしたら、関係の修復や和解が必要かもしれません。
　
　愛は感情に左右されるものではありません。「愛する」ことは、意志の行為です。愛を与えること、愛を受けること、そして相手を赦すことも「愛する」という意志の行為ではないでしょうか？

　あなたは今、誰かに片思いしているかもしれません。自分の思いを打ち明けたい。その人に自分のことをわかってもらいたい。その人に気に入ってもらいたい、自分の愛する思いが相手に通じてほしいと願っているでしょうか。自分の意志が伝わったとしても相手がその愛を受け取らないとすれば、それはとても残念でもったいないことです。　

　あなたは、まるで片思いするように、あなたのことを深く思っている方がいることをご存じですか？
　
　その人は昔からあなたのすべてを知っていて、先にあなたを愛してくださいました（参照ヨハネの手紙一4章19節）。あなたに夢中で、最も高価なプレゼントをくださいました。あなたはまだその人やプレゼントに気がついていないかもしれません。その人は忍耐強く、情け深く、ねたみません。彼は自慢せず、高ぶったりしません。無作法をせず、自分の利益を求めません。いらだたず、恨みを抱きません。不義を喜ばないで真実を喜びます。そして、すべてを忍んで、すべてを信じ、すべてを望み、すべてに耐える方です（参照　コリントの信徒への手紙一 13章4～7節）。

　その人の名前はイエス・キリスト。あなたはイエスの愛を知っていますか？

　イエス・キリストは、あなたのことを「これくらい愛しています」と両手を大きく広げて、十字架に架かって死なれました。この方はすべての人の罪の償いとしてご自身を献げてくださいました（参照　テモテへの手紙一2章6節）。わたしたちのために、命を捨ててくださいました。そのことによって、わたしたちは愛を知ります(参照　ヨハネの手紙一3章16節)。友のために自分の命を捨てること、これ以上に大きな愛はありません(参照　ヨハネによる福音書15章13節)。

　その方はいつもあなたのそばにいて、決してあなたから離れず、あなたを見捨てられません(参照　申命記31章6節、ヘブライ人への手紙13章5節)。彼の目にあなたは高価で、貴く、彼はあなたを愛しておられます（参照　イザヤ書43章4節）。永遠の愛であなたを愛し、変わることなく慈しみを注いでおられます（参照　エレミヤ書31章3節）。

　どうぞ、イエス・キリストに振り向いて、彼の愛を受け取ってください。

（救世軍士官〔伝道者〕）