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西村保

1895(明治28)年9月4日、救世軍の創立者ウイリアム・ブースが宣教のため派遣したエドワード・ライト大佐ら、救世軍士官(伝道者)の一行14人が横浜港に上陸しました。彼らは日本の着物を着用して、横浜の地を踏んだのでした。その当時のことを表した文書の挿絵には、日本人が一行を指さして笑っている姿が描かれています。ライト大佐一行が着用した着物は、実は浴衣(当時の寝間着)で、それに細紐を締め、大変、滑稽な日本上陸となってしまったのです。しかし、それは、イエス・キリストの救いを伝え、日本を愛そうとする心意気、土着化して同化しようとする思いが現れた姿でした。困難も多い中で彼らは宣教し、後に多くの日本人をキリストに導く礎となりました。
ライト大佐たちをそれほどまでに駆り立てたものは何だったのでしょうか?
聖書は、「キリストは、神の身分でありながら、神と等しい者であることに固執しようとは思わず、かえって自分を無にして、僕の身分になり、人間と同じ者になられました。人間の姿で現れ、へりくだって、死に至るまで、それも十字架の死に至るまで従順でした」(フィリピの信徒への手紙2章6~8節)
と記しています。神であるイエス・キリストが人間の形をとって、この世に来てくださった、まさしく土着化、同化して人間に対する愛を示してくださったのです。
天地万物を創造された父なる神様は、すべての被造物の中で人間を特別に尊いものとして造られました。そして人間の中にある神様の喜ばれない心「罪」から人間を救うために、大切な大切な独り子であるイエス・キリストを、人間の姿でこの世に送り、十字架にかけて私たちの身代わりとしてくださったのです。
聖書では父なる神様の愛を、「神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された。独り子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである」(ヨハネによる福音書3章16節)と教え、イエス・キリストの愛を、「イエスは、わたしたちのために、命を捨ててくださいました。そのことによって、わたしたちは愛を知りました」(ヨハネの手紙一3章16節)と教えています。
この神様の愛が、ライト大佐一行の心に働きかけ、日本で日本人のようになり、共に暮らし、神様の愛を説くことを望ませたのです。
1895年9月22日、救世軍日本開戦式をキリスト教青年会館でおこなったこの日を日本での救世軍の創立記念日として、今年で130周年を迎えようとしています。
神御自身、『わたしは、決してあなたから離れず、
決してあなたを置き去りにはしない』と言われました。
……イエス・キリストは、きのうも今日も、
また永遠に変わることのない方です。
ヘブライ人への手紙13章5節b、8節
と記されているように、これまで「神様の愛」はひと時も変わることなく、これからも変わることがありません。この変わらない神様の愛を、スープ、ソープ、サルベーションという三つの言葉で表す働きを、救世軍はこれからも実践してまいります。
どうぞお近くの小隊(教会にあたる)をお訪ねください。そしていつまでも変わることのない神様の愛に触れてみてください。神様の御祝福をお祈りいたします。
(救世軍士官〔伝道者〕)
救世軍(The Salvation Army)は1865年にイギリスで創設され、世界134か国で伝道・医療・福祉・教育・地域開発・災害被災者支援・人身取引被害者支援を行っている国際的なキリスト教会・国連NGOです。日本では明治28(1895)年から活動しています。
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