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ときのこえ
2013.08.01(木)

ときのこえ 2013年7月号

魂の救いのために 寺澤 眞由子

ときのこえ2013年7月1日

時代が人を生み出すのか、人が時代を作り出すのか。
確かに言えることは、今から148年前、英国の東ロンドンでなされた一人の牧師の決断が、126の国と地域で活動する救世軍を誕生させた、ということである。

英国はキリスト教国であるにもかかわらず、産業革命によって拡大した貧富の差は、貧しさの中にある人々から、教育はもちろん、救いをも遠ざけていた現実があった。後に「救世軍」と命名される「東ロンドンクリスチャン伝道会」を立ち上げたウイリアム・ブースの心にあったのは、「ただ、一人の魂もイエス・キリストの救いからこぼれ落ちるべきではない」という、「魂の救い」のための働きであった。
当時、ロンドンで最も貧しい街ー東ロンドンでの出会いを妻にこう語った。
「どこにこんな神を知らない人々がいようか。どこにこのように神を離れた異教徒を見いだすことができようか。彼らを救うにまさって急を要することが、ほかにあろうか。」
食事も衛生も、家畜以下の生活を強いられ、身体も心も荒廃した人間社会がそこにあり、そして救いを必要としていた。

新約聖書において、イエス・キリストの救いを力強く広めた足跡を最も多く残している伝道者パウロは、自らその救いにあずかった時、イエスによって次のような使命を与えられた。
「わたしは、あなたをこの民と異邦人の中から救い出し、彼らのもとに遣わす。それは、彼らの目を開いて、闇やみから光に、サタンの支配から神に立ち
帰らせ、こうして彼らがわたしへの信仰によって、罪の赦ゆるしを得、聖なる者とされた人々と共に恵みの分け前にあずかるようになるためである。」(使徒言行録26章17〜18節)

ウイリアム・ブースも、イエス・キリストからこの使命を与えられ、東ロンドンに、やがては世界中に救いをもたらしたのであった。
彼は「魂の救い」のために最善と思えるものに次々と着手したが、東ロンドンでの活動当初は、貧しい人々に食事や日用品を提供することに難色を示していた。自分たちの働きがそれら慈善活動に終始してしまってはならない、と。しかし、最悪の環境の中で、救いの必要すら感じていない、魂の麻痺した状態の人々に救いへの求めを起こさせるために、最低限の食物と衛生的な環境が不可欠であることを知った彼は、「魂の救い」のためにそれらを積極的に提供し始めたのである。

時代を経て、世界中で、あらゆる困難や悲惨な状況の中にある人々の中へとその活動が広がっている今日にも、救世軍の使命は「魂の救い」である。そして、かつての東ロンドンの対極のような地域にあり、経済的豊かさを享きょう受じ ゅしつつ、生きる目的や希望を失っている人々にも、「魂の救い」への求めを喚起し続けている。
この、『ときのこえ』と名付けられ、世界中で発行されている伝道機関紙は、効率的に福音を伝えるために、創立当初から活用され、存在しているのだ。
最後にあなたに問いたい。
「あなたはイエス・キリストの救いを知っているか?」
「あなたは、闇でなく光に生きている、と言うことができるか?」
「あなたは救われているか? 救われるべきではな
いか?」
あなたの「魂の救い」のために救世軍は存在している。ウイリアム・ブースが現代、日本で語るとしたらこう言うに違いない。
「あなたはいつ救われるべきだと考えているのか?今でしょ!」と。

(救世軍士官〔伝道者〕)

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